朝に髪を洗うことを『朝シャン』といいます。
「今日は帰りが遅くなっちゃったから、シャワーは明日・・」とたまに朝シャンをする方や、「朝お風呂に入ると目が冴える」「しっかりシャンプーを香らせたいから朝シャン」など、毎日朝シャン派の方もいるかと思います。
一方で、朝シャンは髪に良くないという話もあり、「くせ毛が悪化してしまうかも」と心配している方も多いと思います。
結論から言うと、朝シャンはくせ毛に悪影響を与える可能性が高いので、夜シャンへ切り替える、もしくは工夫して朝シャンをすると良いでしょう。
ただし、朝シャンがくせ毛を悪化させるわけではありません。
本記事では、以下の内容について解説しています。
- 朝シャンのメリット、デメリット
- 朝シャンとくせ毛の関係
- くせ毛への負担を減らす朝シャンの方法
朝シャンのメリット
朝シャンが好きな方も多いと思いますが、まずは朝シャンのメリットから見ていきましょう。
メリット① 目が覚め、スッキリする
朝に弱いという方は、これが一番のメリットではないでしょうか。
人間の身体は自律神経によって、血行や体温調節などが自動的にコントロールされています。
この自律神経には、身体を休養モードにする『副交感神経』と、身体を活動モードにする『交感神経』の2種類があります。
リラックスしているときや眠っているときには『副交感神経』が優位となり、身体を回復させています。一方で、朝目が覚めて徐々に活動を始めると『交感神経』が優位となり、血液循環や代謝を上げて活動性を高めます。
朝なかなか目が覚めず頭が働かない原因の一つは、『副交感神経』が優位になっているためです。
朝シャワーを浴びると、その刺激によって『交感神経』を活発化させ、朝から最高のパフォーマンスを発揮できるようになります。
メリット② シャンプーの良い香りが長続き
目が覚めたら、ものすごく寝汗をかいていた経験ありますよね。
人は睡眠時に、体温を下げることで深い眠りにつこうとしますが、その際に汗をかいています。
健康な大人で一晩にコップ約1杯ほどの寝汗をかくと言われていますが、梅雨の湿気の多い時期や夏の暑い時期にはもっと多くの汗をかいています。
汗や皮脂の分泌によって寝起きの頭皮の匂いや髪のベタ付きが気になる場合もあるでしょう。
そんなときに朝シャンをすれば皮脂や汗を洗い流せ、ベタ付きや臭いを解消し、シャンプーの香りも長続きします。
メリット③ 寝ぐせを直せる
寝ぐせがひどく、水で濡らしてもなかなか直らないといった経験はありますよね。
根本から寝ぐせがついていると、表面だけを濡らしても寝ぐせはなかなか直りません。
そんなときに朝シャンをすれば、根本からしっかりと濡らせるので、頑固な寝ぐせもしっかりと直せます。
朝シャンのデメリット
朝シャンのメリットだけを見ると、「朝シャンも良いのでは?」と思われた方もいると思います。
しかし、朝シャンには知らず知らずくせ毛を悪化させるデメリットもあります。
では、朝シャンにはどんなデメリットがあるのか見ていきましょう。
デメリット① 皮脂が詰まってしまう
運動しなければ特に汗はかいていないと思われがちですが、実は日中も知らず知らずのうちに汗をかいています。
ある実験では、23℃の部屋で4時間座っているだけでも約200mlの汗をかいているそうです(Doi T,et al:Aviat Space Environ Med 2004)。
特に激しい運動をしていなくても日中にかいた汗や空気中のホコリや汚れ、スタイリング剤などの汚れがたまり、夜に洗い流さないと寝ている間もずっと汚れた状態で、皮脂がつまってしまいます。
皮脂がつまると髪がまっすぐに成長できずに、くせ毛が悪化してしまうかもしれません。
デメリット② 必要な皮脂が除去され、ダメージを受けやすい
くせ毛にとっては、実はこのデメリットが一番の問題です。
髪の毛のツヤ・油分は、頭皮から髪の毛を伝って流れてくる『皮脂』で保たれていますが、これを庇護膜(ひごまく)といいます。
この庇護膜は、紫外線などの外的ダメージから髪や頭皮を守ってくれています。
シャンプーをするとスッキリしますが、実は髪と頭皮から庇護膜が奪われ、無防備な状態になってしまいます。
この庇護膜は、皮脂を頭皮から徐々に吸収していくので、夜にシャンプーをしても、朝起きたときには皮脂がある程度髪に行き渡った状態になっています。
しかし、朝シャンをして庇護膜が奪われると、無防備な状態で紫外線などの刺激を受け、髪がダメージを受けやすくなります。
さらに、必要な皮脂を洗い流して頭皮が乾燥した状態になると、それを補おうと皮脂の分泌が過剰になってしまいます。過剰な皮脂の分泌により毛穴が詰まりやすくなります。
デメリット③ 髪を乾かす時間が十分にとれず、ダメージを受けやすい
忙しい朝の時間帯にシャンプーをすると、他の身支度やタイムリミットもあり、中途半端に乾かした状態でドライヤーをやめてしまう方もいると思います。
しかし、この髪が濡れて柔らかくなった状態は、ダメージを受けやすくなっているので注意が必要です。
通勤、通学前にしっかり乾かそうとすると思いのほか時間もかかるので、夜にしっかりと乾かした方が間違いないかもしれませんね。
朝シャンとくせ毛の関係
朝シャンにはメリットもありましたが、それ以上に髪にダメージを与えてしまうデメリットもありました。
少しご紹介しましたが、朝シャンのデメリットはくせ毛の発生・悪化にも関係しています。
皮脂のつまりは、くせ毛の発生原因に
毛穴が汚れで詰まってしまい毛穴の形がゆがんでしまうと、さらにクセを悪化させてしまう場合があります。
毛穴が曲がっていると、曲がった状態で髪の毛の「 シスチン結合(ジスルフィド結合)」が固定されてしまい、髪の毛が伸びるにつれて、クセが目立ってきます。
毛穴自体の曲がりには個人差がありますが、毛穴の詰まりでもクセになってしまうこともあります。
詳細は以下の記事を参考にしてください。
髪のダメージはくせ毛の発生原因
髪がダメージを受けると、手触りの悪化や、切れ毛やパサパサになってきます。
これは髪表面の脂質消失やキューティクルの剥離、髪内部の水分量の低下などが原因です。
朝シャンで髪を保護する脂質がなくなった状態で紫外線を受けるとダメージを受け、そしてくせ毛の悪化へとつながります。
詳細は、以下の記事を参考にしてください。
くせ毛を悪化させない朝シャンの解決策
朝シャンのデメリットをなくすには、朝のシャンプー止めて夜のシャンプーに切り替えれば良いのですが、日々の生活習慣などでなかなか難しい方も多いと思います。
そこで、くせ毛対策を意識した朝シャンの解決方法をご紹介します。
それでは、1つずつ詳しくご紹介していきます。
解決策① 洗浄力の強すぎないシャンプーを使用する
洗浄力の強すぎないシャンプーとは、主にアミノ酸系のシャンプーです。
最近では市販でも低刺激のシャンプーが増えていますが、低価格帯のメジャーなシャンプーは洗浄力が非常に高く、刺激が強いものが多くあります。
成分表を見て、最初の数個のうちに下記の成分があれば洗浄力が高いシャンプーなので避けるようにしましょう。
- ラウレス硫酸Na
- ラウリル硫酸Na
- ラウレス硫酸アンモニウム
- オレフィン(c14-16)スルホン酸Na
低刺激でくせ毛さんにおすすめのシャンプーはこちらの記事に詳細が載っています♪
解決策② タオルドライ後、皮脂に近いオイルを使用する
皮脂に近く、髪に浸透してくれるおすすめのオイルはホホバオイルです!
ホホバオイルは主にワックスエステルという成分でできていて、ヒトの皮脂の20%~30%も同じワックスエステルで構成されています。
ホホバオイルは髪の内部にも浸透してくれるのでヘアケアに優れたオイルです。
ドライヤー前の濡れた髪に使用することで、ムラなくオイルを広げやすくなります。
解決策③ ドライヤーでしっかりと髪を乾かす
朝の忙しい時間にドライヤーでしっかりと乾かすには大風量で高温すぎないドライヤーを使用するのがおすすめです!
安くてコンパクトなドライヤーは高温で髪を傷めたり、風が弱すぎてなかなか乾かしきれないことも・・。
どうしても朝シャン派の方は
- 大風量(1.2㎥/分 以上 )
- 高温すぎない
ドライヤーを選びましょう!
管理人のドライヤーは上の画像の日立のドライヤーです。
大風量で風がぬるめなのでとってもおすすめです。
他のおすすめドライヤーはこちらの記事を参考にしてみてください。
解決策④ 寝ぐせ直しが目的なら、髪を濡らすだけにする
朝シャンの目的が寝ぐせを直しだけならシャンプーはせずに髪を濡らすだけにしてみましょう。
濡らすだけなら必要な油分までは落としません。
根元までしっかり濡らせばシャンプーをしなくても生えぐせも寝ぐせも直せます。
解決策⑤ 可能な日は夜シャンプーに切り替える
出来る限りダメージを受けないように対策はできますが、やはり夜にシャンプーをし、そこでしっかりとダメージ対策をすることが理想的です。
なかなか生活リズムを変えるのは難しいかもしれませんが、夜にお風呂に入れるときには朝シャンから夜シャンに切り替えると良いかと思います。
まとめ
本記事では、朝シャンのメリット・デメリット、くせ毛と朝シャンの関係、くせ毛を悪化させない朝シャンの解決策をご紹介しました。