つげ櫛や木櫛がカビる?
そんなわけないじゃん!
と思っていた管理人ですが、数カ月ヘアオイル系を控えていて木櫛も使わないでいたらカビました!
ビックリするぐらいカビてます!!
閲覧注意レベルのカビですね。
100円ショップで買った桃の木の木櫛でしたが、数年愛用していたのでショックです。
どうにかこの木櫛を復活させるべく、カビの除去と再生を実験的に行ってみました。
つげ櫛や木櫛をカビさせてしまって困っている方はぜひ参考にしてみてください。
なぜ木櫛がカビたのか?
まずはなぜ木櫛がカビてしまったのか原因を考えてみましょう。
悪条件で木櫛を放置したからでしょうね…
- 湿気の溜まりやすい洗面所(洗面台)
- しばらく全く使っていなかった
- お手入れもサボっていた
- 梅雨だった
数年(雑に)使用してきて一度もカビたことがなかったのですが、梅雨の期間に手入れもせずに2か月ほど間放置したせいでカビたのでしょう。
カビに気づいてからカビの除去をするまで半月かかってしまい、その間にかなりカビが進行してしまいました。
気付いたらすぐにカビの除去をするべきですね。
本来、つげ櫛(木櫛)はカビにくい
しっかりと椿油を染み込ませたつげ櫛や木櫛は本来カビにくいのです。
それは油には水分が含まれていないためカビが繁殖できないからです。
ですが、お手入れを怠り、オイルが抜けて水分が入り込んでしまったり埃などのゴミが付着しているとカビの原因となるのです。
100円ショップで売られている桃の木櫛の材料の桃の木は成長が早いため、つげ櫛に使用されるつげよりも緻密さが劣っています。
そのためオイルが抜けやすく、水分も入りやすいことが考えられます。
桃の木の木櫛はお手入れを怠るとつげ櫛よりもカビやすいのかもしれません。
復活実験
ここまでカビてしまった木櫛をどうやって復活させればいいのでしょう?
調べてもあまり出てこないので実験的に復活させてみます。
準備と手順
準備したもの
- アルコール消毒液
- 布
- 歯ブラシ
- ホホバオイル
- ラップ、袋
手順
- アルコールでカビの除去
- オイルで掃除
- オイルに漬け込み
消毒
カビの生えた木櫛をそのままオイルで掃除をしてから漬けてもいいのですが、菌が残っていると思うと気持ち悪いのでアルコール除菌してみました。
シミになる可能性大です。
アルコールは脱脂作用があるため、もともと染み込んでいたオイルを脱脂ししてしまい、まだらになってしまう可能性があります。
アルコールをたっぷりヒタヒタになるまで吹きかけて内部に入り込んだカビまで届くように少し時間を置きます。
たっぷり染み込ませました。
ティッシュに黒っぽい汚れが見えますでしょうか?
カビが流れ落ちた跡です。
大体のカビはアルコールを吹きかけると流れ落ちていきます。
時間を置いたらウエスなどの布でふき取ります。
こするとカビを木櫛の中に刷り込んでしまうので優しく優しく。
ウエスに少々カビの黒い汚れが付きました。
乾燥
乾くまでしばらく待ち、乾いた木櫛がこちらです。
アルコールでオイルが抜けて白っぽくなってしまいました。
見た目にはカビは取れたようです。
カビに侵食されたせいか表面が少しポサポサしています。
掃除
乾いたら、表面をオイルを付けた布で拭きます。
刃の隙間は歯ブラシにオイルをつけて汚れを取ります。
アルコール消毒をしたおかげか、ホコリなどもほとんどついていませんでした。
漬け込み
木櫛にオイルをたっぷりかけてラップに包みます。
ラップから漏れ出してしまうので、さらにビニール袋に入れました。
※小さな容器でたっぷりのオイルに漬け込んだ方がムラなく漬け込めます。
オイルは以前から気になっていたホホバオイルを使用してみました。
「オーガニックにこだわりたい」「品質にこだわりたい」という思いがなかったので、楽天で安いのを購入しました。
100mlで1,000円程度なのでお手頃です。
精製と未精製のオイルがあり、今回は精製オイルを使用したので無色透明・無臭のオイルです。
なじみもよく、問題なさそうです。
容器はプラスチックなので保存性はあまりよくなさそうなのと、キャップの周りに垂れやすい、キャップが壊れやすそうなのが難点ですが、値段を考えれば問題なしです。
ホホバオイルはとても劣化しにくいオイルなので容器はあまり気にしなくてもよさそうです。
数日漬け込み、オイルが吸い込まれてかなり減ったので追加しました。
高級なつげ櫛をお手入れするなら、しっかりとした品質の椿油がおすすめです!
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長崎県五島列島の新上五島町内で自生するつばきのみを使用した、100%純粋の椿油です。
ドラッグストアなどで売られているものとは全く違う使い心地にビックリしてしまいますよ♪
途中経過
アルコールで脱脂してしまったため、何日漬け込めばいいのかわからないので、経過を載せていきます。
5日間漬け込んだ木櫛
色も濃くなりツヤツヤしています。
まだ漬け込みが足りないせいなのか、アルコールのせいなのかは不明ですがまだら模様や、一部シマシマになってしまいました。
ホホバオイルで漬け込んでも問題がないのか心配でしたが、現時点では問題なさそうです。
気温が低い冬ではホホバオイルが固まってしまうため漬け込みは難しいかもしれません。
11日漬け込んだ木櫛
ティッシュで表面を少し拭いたので5日目よりもツヤがないように見えます。
5日目よりも若干シマシマがなくなりましたが、まだまだら模様は残っています。
まだまだ漬け込めばまだら模様も薄くなりそうです。
ティッシュで拭いたところ、カビが酷かった部分は木の繊維が少し毛羽立っていました。
木櫛を冷凍してみた(11日目)
ホホバオイルは10℃以下で凝固する性質ですので、漬け込み途中の木櫛を試しに冷凍してみました!
少し白っぽくなっていますね。
アップで見ると表面に固まったホホバオイルが見えます。
手に取ると体温で溶けていきますが、25℃の室温でもホホバオイルが溶けて元通りになりました。
※夏に試すと結露するのでやめましょう!
表面にたっぷりとホホバオイルが付いている状態で凍らせたので、表面に凝固したホホバオイルが見えましたが、漬け込んでいないときなら真冬に凝固しても少し白っぽくなるだけで問題なく使えそうです。
20日間漬け込んだ木櫛
木櫛を20日間漬け込み、ティッシュでふき取ったあとの画像です。
最後の頃はホホバオイルが不足していたせいなのか、アルコールのせいなのか不明ですが模様が濃くなってしまいました。
味があるように見えなくもないので、とりあえずこれで完成にします。
カビが密集していた箇所は若干白っぽくなっているように見えますのでダメージが大きかったようです。
臭いは?
臭いについてはカビ臭さはなくなり、木櫛の独特な木の匂いになりました。
(決していい匂いではありませんが)
酸化した油の臭さなどもなく普通です。
使い心地は?
ティッシュでふき取った直後のオイルたっぷりの状態で使ってみました。
ホホバオイルのおかげかギトギト感はなく、しっとりと潤って適度なツヤが出ました。
重たさもなくとってもいい感じです。
消毒は必要か?
カビの性質から考えてみましょう。
【カビが生える条件】
- 酸素がある
- 5-45℃の温度、最適温度は20-30℃
- 高湿度(15%でも生える)
【カビを死滅させる条件】
- 湿度100%で70℃、10分の加熱
- 消毒用エタノール
- 20 mg/L次亜塩素酸ナトリウム溶液
となっており、オイルの漬け込みだけではカビを殺菌できません。
ですが、水がなければカビは生きていられないため、木櫛(つげ櫛)をオイル漬けにして水分を抜けばカビの増殖は抑えられます。
たっぷりのオイルに漬け込み酸素からも遮断すれば、カビが成長しにくい環境になりますので、カビを封じ込めることは可能です。
殺菌するか封じ込めるか、櫛の値段や状況で判断しましょう。
今後カビさせないために
それでは今後カビさせないためにはどのように扱えばよいのでしょうか?
- オイルでこまめにお手入れをする
- 濡らさない
- 濡れたらふき取る
- 湿気の多い場所に保管しない
- 毎日使う
普通に扱えばカビないかと思います。
つげ櫛や木櫛を長期間使わなくなる場合は、しっかりとオイルでお手入れをしてから湿気の溜まりにくい場所に保管しましょう。
乾燥材などを一緒に保管すればさらにカビにくくなるでしょう。
終わりに
オイル不足のせいかアルコール消毒のせいかは不明ですがまだら模様になってしまいました。
ですが、カビの除去はしっかりとできたので、使用する分には問題なく、1年ほど使用してもカビは再発していません。
カビた木櫛やつげ櫛を使える状態に戻せても、カビは櫛本体を餌にして侵食してしまうため、かなりダメージを受けてしまいます。
カビでダメージを受けた木櫛やつげ櫛はオイルで漬けても元にはもどりませんし、カビの嚢胞(種のようなもの)は中に残ってしまっているでしょう。
アルコール消毒をしてしまうとまだら模様になってしまう可能性が高いため、本つげ櫛など高価な櫛の場合は、カビを除菌してまだらになるか、オイルのみでの掃除でまだらになせないか、よく考えた方がいいかと思います。
皆さんは絶対にカビさせないように気を付けてくださいね!